自動車保険配布スキンパーツ1 医療幻想・・・接客業ならびに算術としての医療について考える

“医は仁術”という言葉が、冗談っぽく聞こえるようになったのは、いつ頃からなのでしょうか・・・

検索で引っかかったWikipediaの記述によれば、言葉自体は江戸時代に盛んに用いられ、その思想的な基盤は、平安時代にまで遡ることができるようです。

冗談といえば、ある頃は、“医は算術”なんて言われ方もされていたようで・・・( ̄▽ ̄;)

☆そういえば、致知3月号の特集対談のタイトルは、「仁術の道は限りなし」というものでしたね・・・(^_^;)

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22.『医療幻想 「思い込み」が患者を殺す』 久坂部羊著 ちくま新書

東京時代の同僚で、現在は、自称池上線のセレブ・宇宿ちゃんからオススメされていた作家、久坂部羊さんの新書です。

いやいや、これは面白く、興味深く楽しませていただきました。

医療業界に蔓延る幻想について、8つの切り口から、情報提供されていますが、医者として、作家として、大学の講師として、その経験と能力に基づく語り口は大変わかりやすいもので、理解が深まりました。

その8つの切り口は、以下のようなもの。


  第1章 薬は効くという幻想
  第2章 名医幻想
  第3章 診断幻想
  第4章 厚生省が増進する幻想
  第5章 高齢者の医療幻想
  第6章 医師不足幻想
  第7章 マスメディアが拡げる幻想
  第8章 病院へ行けば安心という幻想

第1章の冒頭から、いきなり、こんな風に始まります。

  医師として恥ずかしいことだか、私は最近まで、抗がん剤ではがんは治らないことを知らなかった。・・・・・・事実はちがう。抗がん剤は、はじめからがんを治す薬ではなく、延命効果を期待するだけのものである。一般の人はこの事実をどれくらい知っているだろうか。・・・・・・「この薬ではがんは治りませんが、うまくいけば、少し命が延びるかもしれません」などと、ほんとうのことを言うと、患者はショックを受けて、せっかくの闘病意欲も萎えてしまう。<p14-15>

ちぇりーさん、以前にもこの話はどこかで見聞したことがありましたが、改めて、医療に過度な期待をしてはいけないことを認識できたような気がしました。

久坂部さんは、医薬品だけでなく、今や巨大なマーケットと化したサプリメント市場にも言及されます。

  ・・・・・・これほど悪質ではないが、今、新聞やテレビで盛んに宣伝されているのが、ヒアルロン酸、グルコサミン、コラーゲン、コンドロイチンなどのサプリメントである。私は、それらのCMを見るたびに、こめかみから脂汗がにじむほどの憤りを感じる。・・・・・・なのに効いたように思う人がいるのは、すべて先に書いた「プラセボ効果」である。・・・・・・にもかかわらず、サプリメントが売れ続けているのは、幻想にだまされている人が多いからだ。・・・・・・そんな人の弱みにつけこむ商売は、悪徳以外何ものでもない。<p23-24>

ちぇりーさんの周りでも、サプリメント類を大量に購入されている方が見受けられますが、生活習慣を変えるだけで、それ以上の効果があるように感じています!
☆なんて言いながら、DHC社の亜鉛は毎日飲んでおりますが・・・( ̄▽ ̄;)・・・だって1日10円以下【60日分で550円】なので(^_^;)

特に考えさせられたのは、次の行・・・

  医師ではないが、ある知人は検診で胃がんが見つかり、胃の3分の2を失いながら、検診のおかげで命拾いしたと信じ込んでいる。検診を受けなければ、そのがんは自然に消えるか、転移しないまま無症状で経過し、胃を失うことはなかった可能性もあるが、すでに手術を終えている相手にそれは言いにくい。<p90>

いやいや、これなんか、まさにちぇりーさんの父のケースなのではと思ってしまいました。術後、大型のシャーレに乗せられた切除部位を見せられながら、ドクターから説明された際、あまりにも小さくてどれがかんなのか分からなかったことを、今でも鮮明に憶えていますが、その後の父の元気さを考えると、痛い思いをしなくてもと思えてきてしまいます。・・・もちろん、その当時は、手術の成功を祈るばかりでしたが・・・m(_ _)m

そんなことがあったせいか、過去にも、がんに関しては、何度かカキコしていたようですね。

『がんのみみつ』 → http://cherrychan.exblog.jp/7427436/

『「がん」「がんもどき」ならびに「煩悩」への処方箋』 →http://cherrychan.exblog.jp/17366333

そうそう、人間ドックや健康診断にご熱心なのは、日本くらいという話も、何だか笑えませんでしたね。

  「日本人は病気でないのに、病院で検査を受けるらしいですね」

という諸外国の医療関係者のフレーズは、何を表すのか・・・( ̄▽ ̄;)

医療現場に従事した著者ならではの件も、考えさせられます。

  がんの末期や老衰の患者が臨終を迎えるときは、どんな治療をしても命は延ばせない。しかし、何もしないと家族に「見放した」と思われるので、強心剤を注射したり、心臓マッサージのふりをしたりする。・・・・・・明らかに無駄なのに患者や家族を得心させるためだけにする医療。そんなことを学びながら、私は医療も接客業なんだと痛感した。<p213-214>

そして、最後に著者は、読書の心得とも思えるフレーズで〆くくられています。

  幻想はよくないと書きながら、本書に書いたこともまた、私の経験と思い込みによる“幻想”である可能性もある。ほんとうは日本の医療は十分に患者の期待に応えるものであるかもしれない。そうであれば、どんなにいいか。だから、本書に書かれたことも鵜呑みにせず、読者諸氏は自らの見識と判断で有用なところのみを汲み取っていただければと思う。<p220-221>

一人でも多くの国民が、“TVでやっていたよ!”“新聞に書いてあったよ!”という言葉を使わなくなりますようにm(_ _)m

はい、残りの人生9,866日目の本日も、判断力を研ぎ澄まし、顔晴ってまいりましょう!

ではでは。
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by cherrylayla | 2013-03-12 07:09 | Comments(0)

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