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鳩山首相の所信表明演説、52分も話されたんですね。

国会ですから、笑いをとることも難しいでしょうし、双方、特に聴く側は大変だったと思います。

ちぇりーさん、ユビキタス・モバイルネタの講演の場合、基本型は120分。

そこから与えられた講演時間に応じて、30分、45分、60分、90分とアレンジしていく訳ですが、時間が短くなればなるほど、準備に労力というか、神経を使います。

限られた時間で、如何に必要な情報を伝えるか、なかなか簡単ではありませんね。

ちぇりーさん的には、やはり適度に脱線できる、120分が一番やりやすいですね。

経営品質ネタでは、まだまだ経験が乏しいので、こちらも実践の機会を増やしていきたいものです。
☆師匠のスタイルは簡単には真似できませんからねえ(当たり前ですね!)。

先日、伏見の酒好きさんも日記で触れられていましたが、朝イチから予告無しで講師を任せられても動じることのないよう、引き出しを広く深く、そして沢山準備しておくことが必要なのでしょう。

インプット&実践の積み重ねですね。

さて、その所信表明演説の最中に立ち寄った本屋さんで目に飛び込んできたのが、こちらの一冊。

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『ネットビジネスの終わり・・・ポスト情報革命時代の読み方』 山本一郎著 PHP研究所

全然予備知識もなく手にとって、表紙、まえがき、目次に目を通すと、なかなか興味深く感じ衝動買いしてしまいました。

結果は正解でしたね。

偶然というか、昨日の日経新聞にも広告が掲載されていました。
著者のブログを先程初めて拝見したのですが、その関心事は、過剰なネットビジネスに対する不採算性の高い投資が、業界を自沈させているというもののようです。

今回の著書で、論旨から導き出された著者独自の問題解決策については、仮説レベルでも述べられていないことに不満を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ちぇりーさん的には、

  なるほど、やはりそうなるか

という思いを強くすることができた1冊でした。

従来より、語られていることですが、インターネット・ケータイ等の情報ツールの急速な普及が情報収集を始め便利さを提供してくれる一方で、現代人は人間として本当に豊かになったのかという本質的な問題が、改めて浮き彫りにされています。

解決策を明示されていないことで、否応にも自分自身でその解決策に思いを巡らせなければいけないところが、この本の効用なのかもしれませんね。

結局は、人が幸せになることができる仕組みを構築したところが、時代のリーダーとして活躍することができる必要条件なのでしょう。

今回なるほどと感じたのはこんなところです。


  いま私たちが考えるべきことは、・・・・・・なけなしの財をばら撒いて社会の負債を増やすことではなく、より合理的で弾力性のある産業秩序のあり方を問い直し、日本の産業基盤を支える適切な規制と社会制度、国民の職業訓練体制を整えることにあるはずだ。<p4-5>

  利益が出ないのは、ものづくりの精神が荒廃したからではない。良いモノを作っても、売るための仕組み、システムを構築するのに失敗し、海外でモノを売り捌くためのドクトリン(方法論)が色褪せているか、そもそも存在しないという状況にあるためである。<p27>

・・・・・いわゆる「活字離れ」を現代社会が起こしているのかというとそれほどでもない。むしろ活字による情報摂取のバイト数は引き上げられているのではないか、という分析もある。・・・・・・ただ、情報の流通を支えるその活字が紙に印刷されず、ネット上で展開されるようになった。つまり媒体が変わった。<p74-75>

  誰もが等しく新聞を読み、社会や時事一般において共通の関心領域を持つ時代は過ぎ去った。<p88>

  報道の質を担保するだけの健全な情報産業の市場を作り上げないことには、真の意味での情報社会は到来しないだろう。<p104>

  実は、日本国民は他国のテレビ視聴者に比べても群を抜いてアニメを見ない人々である。<p115>

  いかにインフラが充実しようと、そのインフラにぶら下がっているのは国民であって、その国民一人当たりのコンテンツなど情報の消費にかけられる金額が一定であれば、どんなに煽ったところで市場が増えないのは当然である。<p141>

  ・・・・・・情報化社会が私たちに示唆したことは、もっぱら人間の知性の特徴的な機能や能力の限界を意味する二点である。人はすべての知識を支配することができないことと、・・・・・・事実ではないがそうであるべきと信じる人の前には無力であり・・・・・・
<p148>

  この行き過ぎた資本主義のメカニズムは、ネット社会においては逆に情報共産主義とも言うべきジレンマを引き起こす。サービス側が顧客から金を取らずに、無料で優良なサービスを次々と提供していった結果、本来なら情報を生成するのに必要な対価をユーザーが支払わないまま、「ネットの情報は無料で全員に共有されるべき」という共産主義的で反拝金主義の風潮が蔓延していったのである。<p168-169>

  悲劇なのは、デジタル化によって劣化なく瞬時に、容易に複写されるコンテンツで事業を成立させていた業界である。<p169>

  一方で、便利で個人に特化しているがゆえに、社会にある本来人間が持っているはずの絆はやや分断される。家族同士で話し合う時間は増えたか。妻や子や、本来親しくあるべき人々のいまの趣味や関心事を、貴方はきちんと把握しているだろうか。<p176>

  国際経済の情勢はより不確実で混沌とした激しい競争のただ中にあり、日本という国家や企業やそれを構成する日本人は戦い抜かなければその存在感を失いかねないのに、日本国内においては反競争的で安全で充実した社会保障を求める国民の群れが出来上がっている。<p185>

  人それぞれの考え方や環境の中で、不確定な世界を生き抜く多様性が現れることが、社会の活力であると言える。<p186>

  私たちは年を取る。そしていつかは死ぬ。そして、生きている間は意志選択の連続である。それまでの過程は不確定の極みだが、どのような不確定を予測しうるかは、まさに目的と目標に依存する。・・・・・・実現可能な目標を明確にし、リスクを明らかにして、どうすれば存続のための利益を確保できるのか考え抜くことは、意志という恵みを与えられた自我ある人々の義務である。<p187-188>


流されず意志を持って行動すること。

流される振りをすることも意志に基づく行動かも知れませんね。

たまには、こんな本を読むのも有意義ですね。

ではでは。

by cherrylayla | 2009-10-28 05:29

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