2014年 01月 13日
官能教育・・・いまや男にも女にも必要
大晦日に画像と一言コメントを紹介していましたが、残りの人生9,559日目の本日は祝日版ということで、その植島先生の著書を振り返ってみたいと存じます!
☆今年もお世話になりました・・・後半10冊
→ http://cherrychan.exblog.jp/20156281/
というのも、一昨日、生・植島先生に初めてお目にかかることができ、握手と言葉まで交わすことができたんです(*^。^*)
しっかり著書を持参して、サインもいただいちゃいました(^o^)丿
いやいや、年男を迎えて、AKBやももくろを追っかけるオタク族と本質は変わらないような気がしますが、好きなものは仕方ないですよね♪
そのご縁をいただいたフォーラムの内容については、別の機会ということで、本日は、前述のとおり、植島先生の最新刊をコネタにしてみます!
(一).『官能教育 私たちは愛とセックスをいかに教えられてきたか』 植島啓司著 幻冬舎新書
今年の再読ものということで、(一)という表現にしてみました!・・・4.というのは今年4冊目ということですが、水増しという話も・・・(^_^;)
植島先生の著作と向き合うのは、これで10冊目でしょうか(^o^)丿
ちぇりーさん、過去にこんな作品を愉しませていただいております!
聖地の想像力 -なぜ人は聖地をめざすのか 集英社新書 2000
性愛奥義 -官能の『カーマ・スートラ』解読 講談社現代新書 2005
偶然のチカラ 集英社新書 2007
賭ける魂 講談社現代新書 2008
世界遺産 神々の眠る「熊野」を歩く 集英社新書ヴィジュアル版 2009 (写真:鈴木理策)
生きるチカラ 集英社新書 2010
心コレクション 文芸春秋 2010 (原案・監修:秋山道男)
39歳 女の愛の分岐点 メディアファクトリー 2011
日本の聖地ベスト100 集英社新書 2012
植島先生は、冒頭の写真でも確認できる通り、肩書は宗教人類学者なのですが、性愛についてもスペシャリストなんです・・・ちぇりーさん自身、かなり影響を受けていることをカミングアウトさせていただきます<(_ _)>
今回は、『官能教育』というタイトル以上に、帯広告が刺激ですよね♪
それでは、その教育をしっかり受講してまいりましょうか(^o^)丿
「はじめに」からこんな感じでして・・・
「不倫はいまではぜったいに必要な、なくてはならない人間関係なんですよ。義務なんです」彼女はいきなり専門家っぽい口調で言った。・・・・・・精神分析医は平然といってのけた。「わたしは、婚外セックスは賢明な行為だと思っています」・・・・・・
この女性精神分析医の発言を受けて、
1.・・・・・・永遠不滅の愛というものはなかなか手に入らない。それならそれで二人の関係を維持していくためのさまざまな試みが必要となってくる。
2.そもそもキリスト教でもイスラム教(イスラーム)でもヒンドゥー教でも一夫一妻の社会など近代に至るまでほとんど存在しなかった。・・・・・・
3.・・・・・・フランス革命以降の市民社会の登場とともに一夫一妻制度の確立へなだれこんでいく時代だった。しかし、そんな時代でも自分の欲望に生きた女性たちは存在していたのである。
4.19世紀は「不倫」がテーマの時代。フロベール「ボヴァリー夫人」・・・・・・多くのヒロインは修道院へ行くか自殺を遂げるか、だいたい悲惨な末路をたどることになる。
5.しかし、20世紀に入ると次第にそのツケは男性が支払うことになってくる。・・・・・・草食化というのもその一つのヴァリエーションで、けっして一時的な現象ではない。
6.・・・・・・まさに「セックスに対抗するにはキスしかない」ということになる。人々はさまざまな選択肢を得て同時に複数の愛を確かめるようになっていく。その過程で一夫一妻制度は解体されていくのか、むしろ維持されていくのか、現在われわれはその岐路に立たされている。
なんてカタチで、ページが進んでいきます!
・・・・・・だれにとっても自分を支えてくれる愛情が必要だし、それをつねに配偶者が保証してくれるというわけでもない。つまり、そうした社会においては、男性だけではなく、女性にも愛人が必要となってくる。<p23>
・・・・・・男性も女性も複数のパートナーと好ましい関係(性的な関係のみならず)を築くことができるような社会規範の成立こそ、いまもっとも求められているのではなかろうか。<p40>
昔、上野千鶴子さんにモテる男の条件について聞かれ、「キャッチャーに徹することができる男」と答えたことがある。ピッチャー(女)がどんな球を投げてきても受けとめる覚悟のできている男。・・・・・・<p57>
・・・・・・「結婚七年満期制」・・・・・・七年経過して満期終了のはずが、さらに婚姻関係を継続するとなると、それは二人にとって新たな喜びとなるわけである。同じ出来事が見方をちょっと変えるだけで、人生最大の悲しみになったり、喜びになったりする。<p59>
・・・・・・一般に単婚制は女性にとって利益であると考えがちであるが、実際には男性、特に中位もしくは下位の男性にとって快適な制度なのである。単婚こそは男性を平等にする。家庭における民主主義の勝利なのだ。<p61>
こんなことをしてはいけない、そんなことはわかっている。わかっているけどやめられない。それが生きることの本質である。<p122>
人間にとってセックスは本来もっとも祝福すべき事象の一つであろう。それをムリに抑圧し、偏狭な道徳観念のもとに閉じ込めようとすると人の不幸の大きな原因となる。<p125>
そう、いまや男が女を支配するようなセックスはそんなに好まれていない。むしろ、男が自分の妻を通じて被虐的な立場に立たされることに歓びを見出すのである。<p150>
ぼくらは人を好きになるとすぐに「恋愛」という言葉でひとくくりにしてしまう傾向がある。しかしながら、もしかしたら相手に好意を持つところから恋愛に至るまで、そこにはとても振れ幅の大きな世界が広がっているのではないか。<p169>
人はたくさんの人を愛するようにできている。それならば、その表現の仕方にもさまざまなかたちがあっていいだろう。なにごとも断定はいけない。じっと見つめる、ハグする、キスする、匂いをかぐ、からだに触れる、爪をたてる、噛む、その他、もろもろの行為はいずれも愛情表現の一種である。キスひとつとってもさまざまなヴァリエーションがある。それらはけっして恋人たちだけのものではない。<p174>
一般にはセックスしないのが純愛と思われてきた。しかし、これからの時代にあっては、いくらでもセックスできる状況にあってこそ純愛は成立するのではなかろうか。<p179>
先史時代以来、いかなる相手を選ぶかというのは人類にとってもっとも重要なテーマだった。一方で情熱的に一人の異性を思う気持ちと、他方で多くの異性を知りたいと思う気持ちが交錯する。・・・・・・恋愛は相手を所有しようとすることである。しかし、それは他のだれかを排除することを意味していない。結婚の場合は契約だからそう簡単にはいかないけれど、もしそれが他の人々を排除するものだとしたら、結婚制度そのものに問題があるからかもしれない。<p190-191>
ちぇりーさん、ここまで読み返しながら転載してみて、グッとこみ上げるものがありましたね・・・師匠の表現みたいですね・・・(^_^;)
ちなみに、タイトルの『官能教育』という言葉には、「恋愛をめぐるレッスン」という意味合いが含まれ、「教育」という言葉にも暗に、「調教」とか「修行」というニュアンスが加えられているそうです<(_ _)>
はい、残りの人生、修行あるのみの意気込みで顔晴ってまいります(^o^)丿
ではでは!
by cherrylayla | 2014-01-13 03:58