2012年 11月 29日
高校生でも『資本論』
この著作で、佐藤さんは、『資本論』を読む大切さについて、かなり力を込めて言及されていました。
『資本論』を革命の書として読むと人生を間違えますが、資本主義分析の本としてはきわめて優れている。<『人間の叡智』P140>
『資本論』を素直に読めば、これは資本家になる見習いの人間を相手に書いた本だと思えます。資本主義はこういうふうに発展するのだという論理が書いてある。<『人間の叡智』p143>
・・・・・・いま、グローバル資本主義は国家を超えるというようなことが言われていますけれども、それはあり得ない。国家を与件としてでなければ資本主義は発展できないのです。<『人間の叡智』p150>
・・・・・・ある日バブルは崩壊しました。『資本論』の恐慌を論じるところにこの話が出てきます。日本の土地バブルも米国のサブプライムローンのバブルもみな同じです。・・・・・・貨幣は人間と人間の関係から出て来たものだという、貨幣の起源についての視野があるからです。古典派経済学もそれは持っていたのですけれど、新古典派以後、なくなってしまった。・・・・・・ただ問題は、・・・・・・マルクス主義者とか左翼の人たちが、『資本論』を本当はほとんど読んでいないか、めちゃくちゃな読み方をしていたことです。<『人間の叡智』p151-152>
この機会に、マーカー部分を中心に再々読してみましたが、読み応えは色褪せて見えませんでしたね。
☆なんとおトクな新書なのでしょう(笑)!
おっと、今朝の小ネタは佐藤さんではなく、こちらの方の著作でした。
123.『高校生からわかる「資本論」 池上彰の講義の時間』 池上彰著 集英社
ところどころ出てくる、難解なマルクスの文章表現には目をつぶって、いきなり池上さんの解説から読み始めるのも、決して禁じ手ではないように感じます。
というのも、実はこの本、娘に貸与しているのですが、手渡しした祭、マルクスの文章は大人が読んでもチンプンカンプンだから、池上さんのコメントだけ読んでもい良いよとアドバイスして手渡しました。
☆というか、ちぇりーさんも、今回初めて触れましたが、マルクスさんの文章はチンプンカンプンでしたね・・・( ̄◇ ̄;)
読み終えた率直な感想は、「世界で最も成功した社会主義」と揶揄された、高度成長期からバブル崩壊までの日本型社会主義は、実はかなり理想に近かったのではというもの。
もちろん、経済大国としての歩があったからこそのお話ですが、まさかベルリンの壁崩壊が、これだけ我が国にダメージを与えるとは、当時は全く想像していませんでしたが、『資本論』をしっかり自分のものにしていたら、洞察力も少しはマシなものになっていたかもしれません。
まあ、池上彰さんですら、あとがきで、こんなことを述べられていますので・・・
学生時代には、「『資本論』が読み進まないのは自分の力がないからだ」と思っていたのですが、今になって読み直すと、単にマルクスがわかりやすい説明をしていなかったからだと思うようになりました。<p287>
そして、この本からの学びは、この一言に集約されているように思います。
マルクスは140年前、自分の力で、当時の資本主義を分析しました。私たちは、そこから学びつつも、さらに現代の経済を、現代の経済学で分析し、処方箋をかいていかなければならないだろうと思います。<p286>
はい、学ぶべきことは、どんな経済状況になろうと、どんな社会体制になろうと、どんな環境異変・天変地異が起きようと、自分の力で、乗り越えていかなければいけない。
そこに必要なのは同じ志を持った仲間ということ。
かなり乱暴な〆になりましたが、そんなことを強く感じましたね。
ところで、この池上さんの『資本論』解説本、最終的に購入に踏み切ったのは、先日娘と一緒に受講した、金銭教育セミナーの影響もあるんですよ。
ということで、読了後、娘に手渡しましたが、彼女読んでくれるかなあ(苦笑)。
まあ、あまり期待はせずに、見守ることといたしましょう(笑)!
本日は、残りの人生9,969日目。
カウントダウンを始めてから、アッという間に一ヶ月なんですね・・・( ̄◇ ̄;)
それでも、新しい1日を迎えられたことに感謝♪
ではでは。
by cherrylayla | 2012-11-29 07:21