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自動車保険配布スキンパーツ1 信念に生きる・・・ネルソン・マンデラの行動哲学

  「どうしてお父さんは家に泊まっていかないの?」

  「この国には何百万人もの子どもたちが私のことを必要としているからだよ」

  マンデラには後悔していることが沢山ある。大きな問題については正しい道を選んできた自負があるが、たくさんの小さなカーブを曲がり損ねたのは確かなことだ。そして「選ばなかった道」について考えが及ぶとき、彼は一抹の悲しみさえ覚える。

  「自分が選んできた道は自分の私生活を犠牲にするほどの価値のあるものだったのだろうか?」最終的には自分の判断は正しかったという考えに至るのだが、それは必ずしも慰めにはならないのだ。



冒頭から、こんな悩ましい応答を紹介しましたが、力強い1冊でした。

  何に人生を賭すか。

帯広告のフレーズだけでなく、表紙も存在感に溢れています。

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115.『信念に生きる ネルソン・マンデラの行動哲学』 リチャード・ステンゲル著
    グロービス経営大学院訳 英治出版



序文からマンデラご本人の寄稿というのもスゴイですね。


  アフリカには「ウブントゥ(Ubuntu)」という概念がある。

  これは「私たちは他者を通してのみ人間として存在する」という意味だ。

  「他の人々の功績や貢献のお陰で、自分はこの世で何かを成し遂げることができる」という考え方である。



あのネルソン・マンデラの言葉ですから、重いです。

重いのは序文だけではなく、各章から印象的なフレーズを抜粋するとこんな感じでして・・・


序章 多面的な人物
 一時の感情を抑え、様々な思考を冷静に判断し、物事をありのままに見ることができる・・・・・・これこそが、「成熟している」ということなのだ。<p32> 

第1章 勇敢に見える行動を取れ
 マンデラが勇気のある者に対して贈る最大の賛辞は「よく成し遂げた」である。・・・・・・日々続く困難な状況下において、恐怖心に負けることなく不安に苛まれながらも確固たる自己を失わない、そのような勇敢さのことを表しているのだ。・・・・・・そして幸いにも、私たちに求められているのは(マンデラの経験したような試練に立ち向かう勇気ではなく)こうした日々の勇気ある行動なのである。<p50>

第2章 常に冷静沈着であれ
 「急いではならない。まずはじめに、物事を深く考えて分析しなさい。行動するのはそのあとだ」<p68>

第3章 先陣を切れ
 「リーダーには、一人で意思決定し、行動しなければならないときがある。行動した後に、組織に対しての説明責任を果たすべきときがあるのだ。その結果、組織と対峙しなければならないときに問うべき問いは、リーダーのとった行動が真に活動のためだったかどうかだ。・・・・・・」<p83>

第4章 背後から指揮をとれ
 リーダーシップの要諦は、あるゴールに向かって人を動かすことにある。具体的には、人々の考え方や行動の方向性を変えることである。<p89>

第5章 役になりきれ
 それでもなお、マンデラは「人間は本当の心をすべてさらけだすことなどできない」と言うだろう。「本当の気持ちを表に出す」というのは、現代的な美徳といえるだろう。しかし、すべてをさらけだせばいいのかというとそうではない。不必要にさらけだすことなく、本物になることは可能なのだ。<p114>

第6章 原理原則と戦術を区別せよ
 物事の状況と原理原則。この二つを照らし合わせてとるべき戦略が決まる。その点、マンデラは、ガンジーではない。・・・・・・彼の場合、ゴールこそが信念であり、非暴力は戦術の一つにすぎなかった。<p125-126>

第7章 相手の良い面を見出せ
 ・・・・・・人の誠実さというのは、誠実な人間にこそ引き出せるものだからだ<p143>

第8章 己の敵を知れ
 マンデラが「敵を知る」と言うとき、それは単に戦術について語っているのではない。敵でさえもどこか「共感」できる部分があるということなのだ。<p160>

第9章 敵から目を離すな
 一番やっかいなのは、「味方のふりをした敵」だ。<p161>

第10章 しかるべきときにしかるべく「ノー」と言え
 言い訳は、不信感のもとだ。あいまいな「ノー」は、ストレートな「ノー」よりも人の心を傷つけるものだということを、マンデラは経験から学んでいたのだ。<p174-175>

第11章 長期的な視野を持て
 「決断力がある人物」というのは、意思決定のスピードが速い人という意味ではない。なぜなら、本当の意味の決断力とは、十分な時間をかけて幅広い角度から分析し、必要とあらば自分の温めていた考えを曲げてでも、最善の判断をする力を指すものだからだ。<p180>

第12章 愛ですべてを包め
 「誰かを愛すると、その人の欠点など見えなくなる。他の誰が何と言おうとも、その人を愛する。愛はすべてを包むものなのだ」。<p208>

第13章 「負けて勝つ」勇気を持て
 マンデラは、「負けて勝つ」という言葉通り、譲ることによって勝ち馬に乗ることができるということを熟知していた。<p214>

第14章 すべての角度からものを見よ
 物事には、完全なる善とか、完全なる悪というものはないのだと。マンデラは、様々な物事を判断するとき、常にこのような考え方をとった。<p219>

第15章 自分だけの畑を耕せ
 マンデラは会話の中で「人間も食物と同様、耕して育てることができる」と、畑仕事の比喩を使うことがあり、「私たちはそれぞれの畑を耕すことに精を出すべきだ」と私に言ったこともある。<p230>

マンデラからの贈り物
 リーダーには、悪い選択肢しかない場合でも、どちらかを選ばなければならないときがある。リーダーは、いかに善良な人間であっても、時には悪い結果を招くような意思決定をしなければならないことがあるとマンデラは知っていたのだ。・・・・・・彼は、祈りの時間は持たず、その代わりに、熟考に熟考を重ねて行動に移した。「すべての物事には理由がある」という人に対して、マンデラなら自分たちこそがその理由であり、自分自身が物事を動かす動機であると答えるだろう。「自分の行く末を決めるのは運命ではない。自分自身が決めるのだ」と。<p240-243>


背筋がシャンとするというか、流石、版元が英治出版だけはありますね。

英治出版といえば、いよいよ来週末に控えた中部経営塾10月例会は、西水美恵子さんの講演会です。

皆さん、今一度、『国をつくるという仕事』そして『あなたの中のリーダーへ』を再読して、しっかり準備をしておきましょうね。

ではでは。

by cherrylayla | 2012-10-10 06:24

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