2011年 03月 08日
『陰徳を積む』・・・銀行王・安田善次郎伝
流石、北康利さん、しっかり調べ上げていらっしゃいます。
『陰徳を積む 銀行王・安田善次郎伝』 新潮社
日曜日にしっかり向き合うことができました。
ちぇりーさん、伝記を読むのは久しぶりで、昨年の11月に読了した、笹川良一氏を描いた『悪名の棺』以来でしたが、実は笹川氏と同様、安田善次郎のことについては、全くといって良いほど知りませんでした。
国家予算の実に8分の1に相当する富を一代で築いた個人資産家。
その一生は、富豪になっても変わらず、『陰徳を積む』ことの実践。
父・善悦氏から幼少のころから繰り返し聞かされたこの教えを遵守する以上に、己の生きざまを通して昇華させた安田善次郎の一生は、全ての日本人が学ぶべき人生だと感じました。
その父・善悦氏の教えを転載してみます。
ただ漫然と日常を過ごすだけであれば、動物と何ら変わるところはない。規則正しい生活を送りながらそれぞれの天分を尽し、もって自分と家族との繁栄発展を期することではじめて、万物の霊長としての人間の本文が果たせるのである<p18>
たとえ思わぬ災難に出遭っても他人に迷惑をかけず、独立独歩で処し得るように平生の準備を立てておくことは人間第一の務めである<p18>
奢りをきわめ欲望をほしいままにするのは禽獣の生活とかわるところはない。限りない欲望を抑えて暮らしてこそ真の楽しみがあるのであり、これを味わう生活でなければ人間として生まれて恥である<p130>
もちろん、安田善次郎本人による含蓄のある言葉もふんだんに紹介されています。
一個の事業の成功するか失敗するかの根本原因は、一にも人物、二にも人物、その首脳となる人物の如何によって決することを言明して憚らぬ<p187-188>
筆者も、こんなエピソードを紹介されています。
一代の富豪となった後も、人に接する態度はいささかも変わることはなかった。いつも懇切丁寧で、相手が恐縮してしまうほどに腰が低い。<p233>
そして、圧巻は父・善悦氏が晩年語ったこの言葉。
次の世ではとてもお前の親にはなれない。お前が親でわしが子供じゃ。いや子にもなれないかもしれん。お前は本当にたくさんの陰徳を施しておる<p140>
ちぇりーさん、読了後、そういえばと思い出し、先月号の致知を取りだしました。
そうなんです、新年号から連載が始まった北康利さんの『日本を創った男たち』。3月号は安田善次郎だったんですね。
実は3月号はほとんど未読でしたので(汗)、改めて読むきっかけをいただくことができました。
もっとアンテナをしっかり立てないとダメですね。
まあ、そんなことにも気づけたということで、ツイてる!
ようし、本日も明るく楽しく元気よく、顔晴っていきましょう!
ではでは。
by cherrylayla | 2011-03-08 04:41