2009年 08月 17日
すでに起こった未来
残暑もまだまだ続くようですが、暑さ寒さも彼岸までという先人の言葉通り、少し秋の気配も感じられるようになってきました。
そのお盆休みですが、結局読書も1冊しかできませんでしたね。
その1冊がちょっと手強かったというか、深いんです。
はいその1冊とは、ドラッカー先生の『すでに起こった未来』です。
書籍としての出版は15年前、ちぇりーさん、今年に入ってブックオフで調達したまま積読状態になっていました。
今回、お盆休みの前半の関西小旅行の往復で読破しようと思っていましたが、結局3日かかってしまいました。
いや、当たり前かも知れませんが、まだまだ読み切れていません。
ドラッカー先生の著作にありがちな論文集なのですが、どれもホント深いんですよ。
読みながら思わず、唸ったり、ニヤリとさせられたりと、大変楽しむことができました。
それにしても桁外れの洞察力です。
そして、今更ながらに感じたのが、ドラッカー先生の著作は何度も読み返して初めて気づくことが多いものだ、ということ。
名論文として名高い「もう一人のキルケゴール」なんか、以前読んだ、初めて読むドラッカーシリーズの『イノベーターの条件』に掲載されていましたからね。
実は今回この論文を再読して、たくさんの気づきを得ることができたんですよ。
いや、白状しますと、その内容を覚えていなかったんですね。
と言いますか、おそらく「イノベーターの条件」を読んだ8~9年前では、気づきを得る力がちぇりーさんの中に、宿っていなかったのだと思います。
当時は、死生観なんて意識したことなかったもんなあ・・・汗
名著は何度も読み返すという意義を、改めて実感することができました。
ところで、この日本版?「すでに起こった未来」は、原著では31本の論文を収載しているんだそうですが、ドラッカー先生と訳者陣と相談の上、13本に絞り込んで訳出した書籍なんだそうです。
☆13本でもお腹イッパイ、頭はクラクラですが・・・
その代わり、日本の読者向けに、自信の回想録を最終章としてまとめられています。
タイトルは「ある社会生態学者の回想」というもの。
訳者のあとがきでも、是非最初に読んで欲しいと激賞されていますが、これは当時のドラッカーファンとしてはたまらない魅力だったでしょうね。
それにしてもドラッカー先生の凄いところは、その論文が全く陳腐化していないこと。
いや、こんな変化の激しい時代だからこそ、その論文が光って見えてきます。
ちなみに収録されている最も古い論文は1946年に世に出されたもので、「ケインズ」の功績とその限界について述べられています。
60年以上前の論文ですが、これは今読んでも相当面白いです。
そして、前述の「もう一人のキルケゴール」は1949年の作品。
こちらは丁度60年前の論文になるのですね。
いまブログをカキコしながら何度も読み返しているのですが、全ページにマーカーを入れたくなるような、驚きのテンションの高さです。
人間の実存という哲学的考察なんて、なかなか日常生活では意識することも話題にすることもありませんが、書籍を通じてそんなことに向き合うことは、大変有意義ですね・・・たまにだから、都合のいいように感じるのでしょうが・・・苦笑
ちぇりーさん、経営者として、トップリーダーとして、最終章のドラッカー先生の論文(回想録)から印象に残ったフレーズを。
重要なことは、「すでに起こった未来」を確認することである。すでに起こってしまい、もはやもとに戻ることのできない変化、しかも重大な影響力をもつことになる変化でありながら、まだ一般には認識されていない変化を知覚し、かつ分析することである。
田坂さんの『未来を予見する5つの方法』ではないですが、常に意識して生きていきたい、そんなことを力強く思う、お盆明けのちぇりーさんです。
前提は足元の仕事をしっかりやりきることですが!
ではでは。
by cherrylayla | 2009-08-17 04:35